【登場人物】
甲太郎 ヘタレな早漏ハンター
伊織 今回はライトボウガンハンター
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今日は雪山での採集クエストをこなす為、伊織さんが住むポッケ村で合流する事になっていた。

「コンニチハですニャ、旦ニャ様の相棒様」

「こんにちは」

戸口でルームサービスネコに挨拶していると、キッチンの方からエプロン姿の伊織さんが現れる。

「ちょうどよかった。甲ちゃんも一緒にネコちゃん達の料理を食べていきませんか?」

「え、いいんですか?ありがとうございますっ」

伊織さん厳選のキッチンアイルー達の料理を食べさせて貰った後、ぼく達は採集クエストを受注し雪山へ向かった。

「今回のサブターゲットはフルフルベビー納品のようですね」

「フルフルベビー……」

何故か伊織さんはフルフルが大好きで、特に先っぽを虐めて涎を垂れさせるのがお気に入りらしい。ぼくにはよくわからない嗜好だ。

「せっかくだから、フルフルベビーを採掘してみますか?山頂付近にクシャルダオラの脱け殻があって、そこでフルフルベビーが採掘出来るんですよ」

そんなわけで、ぼくは伊織さんに案内されフルフルベビーが採掘出来るという山頂付近へ向かう。道中雪山草を採取しつつ進んで行くと、伊織さんが立ち止まって前方を指差した。

「あらあら、ウサギちゃんがいますねぇ」

「ウルクスス!」

どうやら今日の雪山の環境は不安定だったらしく、雪原を滑るウルクススの姿に思わずぼくは声をあげる。ウルクススもこちらに気づいて滑るのを止め、立ち上がって威嚇咆哮をあげた。

「ウサギちゃんは私に任せて、甲ちゃんはフルフルベビー採掘に向かって下さいな」

そう言って伊織さんがライトボウガンを構える。ぼくがいても足手まといになるだけなので、伊織さんの言う通り大人しくフルフルベビー採掘に向かった。

狭い穴をくぐり垂直の崖を登っていった先に、巨大なクシャルダオラの脱け殻がある。その割れ目にピッケルを振るうとフルフルベビーが飛び出し、問答無用でぼくの腕に噛みついてきた。

「いたたっ」

真っ白い胴体に真っ赤な口だけついた姿はひたすら不気味で、振り払いたい衝動を堪え目の前の崖から地上へ飛び降りる。噛みつかれた箇所からどんどん体力が奪われていき、混乱したぼくは応急薬をガブ飲みしつつ隣のエリアへ移動した。

「あら甲ちゃん、こっちは危ないですよ」

伊織さんの呑気な声とウルクススの咆哮が聞こえる。ペイントボールの位置を確認していなかったぼくは、間違えて戦闘中のエリアに進入してしまったようだ。慌てて戻ろうとしたぼくの背後からブランゴの雪玉が飛んできて、体力減少に加え氷やられでスタミナも減らされる。

「あわわわわ」

「あらあら甲ちゃん落ち着いて」

オトモアイルー並みに混乱するぼくのもとへ、トドメとばかりにウルクススが突進してきた。



気づくとぼくはネコタクに乗せられベースキャンプまで運ばれ、そのまま乱暴に地面に転がされる。ぼくの腕にはしっかりフルフルベビーが噛みついており、思わず悲鳴をあげながら納品ボックスに腕ごと突っ込んだ。

泣きベソをかきながらサブターゲットクリアの追加アイテムを漁っていると、モドリ玉で帰還した伊織さんが愉快そうにぼくの泣き顔を見上げる。

「甲ちゃんってば、想像以上に面白い子ですねぇ」

「取り乱してすみません」

伊織さんにはいつも情けない姿ばかり見られてしまい、不甲斐ないやら悔しいやらで余計に泣きたくなった。そんなぼくを伊織さんは慈愛に満ちた眼差しで見守り、フルフルベビーに噛みつかれた傷口へそっと長い指を這わせる。

「もっとよく見せて」

「伊織さん……?」

伊織さんはぼくの腕を両手で支え、小さな傷口に舌を這わせた。

「っっっ」

「かわいそうな甲ちゃん、とっても痛そう」

言葉とは裏腹に伊織さんは傷口に唾液を塗り込み、沁みて痛がるぼくの様子を愉しんでいる。赤い舌が傷口を往復し、透明な唾液が糸を引いて腕を伝い、肉感的な唇が妖しく濡れてぼくを惑わせた。

「い……伊織さん……」

傷が沁みて痛いのに、それ以上に伊織さんから与えられる刺激が快感となってぼくの脊髄を震わせる。体中の血流が下腹部に集まってくるみたいで、恥ずかしながらぼくの股間はムクムクと膨らんでいった。

伊織さんはぼくの反応に気づいている。気づいているからこそ、執拗に傷口を舐めるのだ。

「どうしたんですか、甲ちゃん。顔が真っ赤ですよ?」

チロチロと舌先で傷口を舐めながら、あくまで優しく伊織さんはぼくに語りかける。

「もしかして、他にも痛い所があるんですか?我慢しないで言ってごらんなさい」

「伊織さん……ぼくは……」

モジモジするぼくに伊織さんはニッコリ微笑み、柔らかな動作でそっと内腿に右手を添えた。

「はあうっ」

「あらあら、ココがこんなに腫れ上がってるじゃありませんか」

サポーター越しに股間を撫でられ、堪らずぼくは体をくの字に曲げる。

「だ、大丈夫ですっ」

「大丈夫じゃないでしょう?ほら、ベッドに座って。私が痛いの痛いのとんでけーって、おまじないしてあげますからね」

「はわわわ」

伊織さんに逆らえる筈もなく、ぼくはベッドに座らされ足を広げさせられた。伊織さんの白く長い指がぼくの股間に触れ、ゆるゆると焦らすように微細な愛撫を施してくる。

「甲ちゃんの大事な坊やは、私にとっても大事な坊やですからね」

「うはあ」

「かわいいかわいい私の坊や、いつかフルフル亜種くらい赤黒くて立派な坊やに育って下さいね」

フルフル亜種……噂には聞いた事があるけれど、ぼくはあんな気持ち悪い存在にだけはなりたくはなかった。たとえ伊織さんにたっぷり愛でられたとしても。

「ふふふ、甲ちゃん、涎が垂れてますよ」

喜色満面の笑みを浮かべ、伊織さんがぼくの涎を舌先で舐めとった。更に唇もねっとり舐められ、ぼくの股間はサポーターの中で今にも破裂しそうに膨張する。

「い……伊織さんっ……ぼ、ぼく、もうっ……」

今すぐ装備を解いてこの熱を宥めたい。切羽詰まったぼくを眺めていた伊織さんは、まったく動じる事なく股間を撫で回し続けた。

「はぅああっ」

「もうイキそうなんですか?ふふ、相変わらず甲ちゃんは早漏さんですね」

真っ赤な唇を残酷につり上げ、伊織さんがぼくの耳元に甘い吐息を吹きかける。

「でもまだイッては駄目ですよ、甲ちゃんは冷静さと忍耐力を身に付ける必要がありますからね」

「そ、そんなぁ」

伊織さんに射精を許されるまで、延々とぼくは雪山で悲鳴をあげ続けた。



「おかえりなさいませですニャ、旦ニャ様。キッチンアイルー達があったかいスープを用意して待ってますニャ」

ルームサービスネコに促されキッチンに移動すると、キッチンアイルー達がテキパキとテーブルにスープやステーキを並べていく。

「相棒さん、いつも旦那さんと仲良くしてくれてありがとうニャ。お礼にコレをくれてやるニャ」

キッチンリーダーがぼくに手紙をくれた。開封してみると、判読不明な文字の手紙とアイルー食券が入っている。どうやらこの食券を渡せば、いつでも好きな時に料理を作って貰えるようだ。

「ふふふ、甲ちゃんはネコちゃん達に気に入られたみたいですね」

伊織さんが嬉しそうに笑うので、ぼくも嬉しくなって笑い返す。その日の宴は夜遅くまで続いた。